これはスピリチュアルな話というより、好きな持ち物とか単なる願掛けの話として捉えてほしいのだけれど、子どもの頃から、石が好きだった。つるつるキラキラした、いわゆるパワーストーンと呼ばれる類のもの。
幼少の頃はただ単にキラキラしたものが好きだっただけだから、ビー玉とか、ゲーセンで獲れるようなプラスチック製の宝石みたいなやつとか、そういうものも合わせて収集していた。
高校くらいから、勉学だったり、人間関係だったり、その時々の願いを託して、自分を鼓舞するために石を持つようになった。
お守りのように毎日身につけて持ち歩くのが好きで、ブレスレットにすることが多い。壊れたり、願いが叶ったら手放したりしながら、手首に何かしら巻いておくと落ち着くので続けてきた。石にスピリチュアルな効果を求めるというわけではなく、あくまでもお守りとか、願掛けくらいの意味で考えている。
先日、自由が丘の「愛光堂」へ行ってきた。
沖縄出身のご兄妹が、カウンセリングをして作ってくれるオーダーブレスレットが人気のお店。完全予約制で、一時期は予約が取れなかったらしいが、今回、東京滞在予定の日程で空きがあれば行ってみようと思って電話してみたら、すんなり予約がとれた。
父の死後、大学院での研究活動が一段落して地元に戻ってからというもの、忙しさで紛らわせていた悲しみから這い上がれずに、ずっと停滞感を抱えて苦しかった。生活や仕事を未来に向かって動かしていくために、何かこの停滞感を打破するきっかけや後押しがほしい気分だった。
当日は朝10:10の予約。5分前に着いて、時間ちょうどに店内に案内される。担当は妹さんで、凛とした黒髪ロングのポニーテールが印象的なパワー系美女。
願いを書いた紙を持参して、それを元にいくつか質問される。紙にいくつか書いたうち「悲しみと共存する」という表現について何度も確認された。「あまりそういう表現する人いないから」と。時間が経っても悲しくなるばかりで、どうにか悲しみを抱えたままでも前に進んでいきたいという思いだった。
色などの希望は特に出さず、予算だけ指定して全てお任せにした。

カウンセリングを終え、しばらく外出した後で約束の時間に引き取りに行った。
組んだ石を見せてもらった。きらきらして美しい石。淡いパステルカラーの、カラフルな仕上がりになっている。なんとなく、自分のやつだ、という感じがした。自分では選ばないけれど、自分っぽい色ってこんな感じなのかなと。
その石の一般的に言われている効果と、どういう効果を期待して、どういう風に合わせているかということを、薬の処方さながらに説明してくれた。もちろん必要なときは医療に頼るべきであるのは前提として、ちょっとした心のサポートとしてはかなり良い気休めになると思う。
結局のところ、人生、自分の意思や心の持ちようというのは、自分でコントロールしていくしかない。その一助になるのであれば、お守りとしての石を持つことにも、こうやって自分のつらさを他人に打ち明ける経験にも意味があるのだろうと思っている。
「若いから、スーパーポジティブにね」
「まだこれからやっていけるから大丈夫」
「お父様もきっとそれを望んでいるはず」
「良い方向へ行きますように」
そう言って送り出してくれた。




- カヤナイト
- アマゾナイト
- シトリン
- クリスタルクオーツ(水晶)
- ルチルクオーツ(銀針水晶)
- セージニティッククオーツ(金針水晶)
- ローズクオーツ