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【Logic Pro】XLN Audio「Addictive Drums 2」をパラアウトする方法

Logic Pro(以下Logic)において、XLN Audioのドラムソフト音源「Addictive Drums 2 (以下AD2)」をパラアウトする方法。

自分でやるときにいくつかの情報源を当たったため、備忘録として手順をまとめておきます。

1. はじめに – 作業環境について

筆者の環境
  • iMac (Retina 5K, 27-inch, 2020)
  • macOS Catalina(バージョン10.15.7)
  • Logic Pro (バージョン10.6.3)
  • Addictive Drums 2(バージョン2.3.2)

各機能についての説明は、主にAD2公式マニュアルを和訳したものです。一部、筆者が試した際につまずいたポイントや、説明が不十分な点については、適宜解説を追記しています。

2. Logic側での操作 ①

2-1. Logicのミキサーウィンドウを立ち上げる。

2-2. AD2の出力設定がマルチ出力になっていることを確認。

ステレオになっている場合は、マルチ出力に切り替えておく。

2.3 + − マークが出ていることを確認。

メインウィンドウではなくミキサーウィンドウでないと、この+-が出てこないので注意。

3. AD2での操作

3-1. AD2プラグインを立ち上げる

KIT画面を表示する。

3-2. 各トラック左下「↓」をクリックして、任意の「Separate Out」を選択。

3-3. 補足:AD2での操作についての詳細

補記 (1):AD2のミキサーセクションについて

AD2のミキサーには14のチャンネルがあります。

AD2のミキサーには14のチャンネルがあります。内訳は以下。

  • 計10本あるMonoチャンネルは、Kick, Snare, Hihatが各1本と、Tomが4本、任意のパーカッションを読み込めるFlexiが3本。いずれもオンマイク(音源のすぐ近くで収音)。
  • 全体を収音するStereoチャンネルが2本、Overhead(OH)と、より遠いRoom
  • Stereoチャンネル1本のBusは、エフェクト処理に使用できる(前述のチャンネルは、サブミックスをBusに送ることができます。例えば、ディストーションをかけてマスターチャンネルに送る等)。

補記 (2):Busチャンネルへの送り方

Busへのセンド量を調整する方法について。

Busへのセンド量は各チャンネル上の白く光るバーをドラッグ操作して増減できます。

補記 (3):Saparate Outの種類の選び方

パラアウト(Separate Out)の設定について。

「+Master」とは?

パラアウトすると、通常はマスターに信号が送られなくなります。しかし、場合によってはAD2のマスターチャンネル全体に影響を与えずに、特定の音を送ることが役立つことがあります。例えば、AD2以外の要素とのサブミックスを作成したり、Kickをベーストラック等とのサイドチェインに使用するために送ったりすることができます。

「Pre-Fader」と「Post-Fader」とは?

Pre-Faderではすべての信号がユニティゲイン)で送信され、AD2チャンネルボリュームの設定がパラアウトのレベルに影響を与えません。これは、AD2の外で(DAW側で)キットを完全にミックスしたい場合に便利です。任意のプリセットを選択しておけば、外部のミックスセットアップに入るレベルが変わらないようにできます。反対に、Post-FaderはFaderをかませた後の段階を出力します。

※ 補足:ユニティゲインについて
ユニティゲインは、信号が変化せずにそのままの強度で伝送される状態を指します。ここでは、AD2の前段の設定(Faderが関与する前の段階)で、すべての信号がそのままの強度で外部に送られる、つまり「AD2のチャンネルボリュームの調整がパラアウトの際のレベルに影響を与えない」ということを言っています。

補記 (4):Hihat以外のシンバルどこ行った?問題

OHでまとめて収音されています。

結論から言えば、Hihat以外のシンバルは、OHで収音されています。

そもそもドラムのレコーディングにおいて、クラッシュ・ライドシンバルはドラム中央上方に立てたOHで録るのが一般的です。ただし、OHのマイクはシンバル専用ではなく、ドラム全体を録る意味合いもあります。ミックス時には、OHを土台とし、それでは音圧が足りないSnareやTom等を個別で盛ります。

また、OHよりさらに遠くに立てたRoomでは、部屋の鳴りを録っています。

4. Logic側での操作 ②

4-1. 必要なトラック数分、+をクリックして生成

Logicのミキサーに戻ったら、先ほど確認した+ボタンをクリックしてトラックを生成。

使っていなくてもFlexi分まで生成される。必要なトラック数を数える必要はなく、+がグレーアウトするまで連打すれば全部揃う。

4-2. 生成したトラックについて、それぞれのトラック名を変更する。

Logicのミキサーでも、AD2のミキサーと同じ順で並んでおり、ソロ再生して音を確認しながらやると、どれがどのトラックか分かりやすい。

以上で、パラアウトができている状態になる。

4-3. 補足:パラアウトに関する基礎的な注意点

パラアウトしても、MIDIノート自体は一つのトラックにまとまっている。メインウィンドウで楽器別にトラックを立ち上げるのとは違うことに注意。

すなわち、正しく「パラアウト」されている状態は

▼ こうではなくて

▼ こう

参考URL

XLN Audio – Addictive Drums 2 Manual

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