Colour Bassの音作りで注目のプラグイン、Xynth Audioの「Rezonator」,「Chroma」について。MIDIルーティングの設定で若干ハマったので、備忘録を置いておきます。
「Rezonator」で説明していますが「Chroma」に読み替えても同様の手順でMIDIルーティングできます。
- iMac (Retina 5K, 27-inch, 2020)
- macOS Big Sur (バージョン 11.7.10)
- Logic Pro (バージョン 10.6.3)
- Ableton Live 12 Suite(バージョン 12.0)
本記事の内容は、主に公式Q&Aを抜粋・和訳したものです。説明の便宜上、一部表現を変更・省略・追記等しています。なお、スクリーンショットは転載ではなく筆者が新たに撮ったものです。
目次
Logic Pro
LogicにおけるMIDIルーティングには、独自のワークフローがあります。 MIDI制御エフェクトは、他トラックのオーディオを処理できるインストゥルメントとして扱われます。
1. AU MIDIコントロール制御
新しい MIDIトラック(この後コードソースになる方)を追加。
インストゥルメントのプルダウンから、リストの下の方に出てくる、AU MIDI制御エフェクト → Xynth Audio → Rezonatorを選択。
「EQ」に挿すのではなく「インストゥルメント」からMIDI制御エフェクトとして挿すことに注意。
2. サイドチェイン入力
先ほど挿したResonatorを立ち上げると、インターフェイスの右上にサイドチェーン入力のプルダウンがある。
このプルダウンから、Resonatorで処理対象の既存トラックを選択。
このとき、処理対象のトラックは必ずミュートしておく。
3. MIDI打ち込み
最初に作成しておいた MIDIトラック(画像ではトラック2:Inst 2)を使用して、鳴らしたい音程をピアノロールに打ち込むか、MIDIデバイスで入力する。
処理対象がオーディオトラックでも同じ手順でできる。
例えば、処理対象を画像のトラック3に差し替えたいときは、トラック2に挿したRezonatorでサイドチェーンをトラック3に設定し直して、トラック3をミュートすれば完了。この場合はトラック3のドラムループがトラック2に書いたコードで鳴ってくれる。
Ableton Live 10+
Ableton Live では、ResonatorをMIDIルーティングする 2 つの方法があります。
- 方法①:MIDIトラックのルーティング。セットアップが最も簡単。
- 方法②:外部インストゥルメントのルーティング。手順が多いが、より柔軟。
方法① MIDIトラックのビルトインMIDIルーティングを使用する方法
1. MIDIトラックのルーティング
Resonatorをエフェクトとして立ち上げる。
まだ追加していなければ、新しい MIDIトラック(この後コードソースになる方で、下の画像では「1 MIDI」)を追加する。
この MIDIトラックの出力タイプセレクターで、Resonatorが含まれるトラック(下の画像では「2 HIVE」)を選択しておく。
MIDIを受信できるプラグイン / デバイスが複数ある場合は、2 番目のドロップダウンを使用して正しいプラグイン / デバイスを選択する。
2.MIDI打ち込み
最初に作成しておいた MIDIトラック(ここでは「1 MIDI」)を使用して、鳴らしたい音程をピアノロールに打ち込むか、MIDIデバイスで入力する。
方法② External Instrument を使用するMIDIルーティング方法
この方法では「External Instrument」を使用してMIDIをルーティングします。
この方法を使用すると、トラックにすでにインストゥルメントが含まれている場合でも MIDIのルーティングが可能になります。
1. External Instrument
ライブラリ → インストゥルメント → External Instrument をMIDIトラックに追加する。
2.MIDI To
「MIDI To」プルダウンを使用して、Resonatorを含むトラック(ここでは「2-Hive」)を選択。
MIDI を受信できるプラグイン / デバイスが複数ある場合は、2 番目のプルダウンを使用して正しいプラグイン / デバイスを選択する。
3. MIDI打ち込み
最初に作成しておいた MIDIトラック(ここではトラック4)を使用して、鳴らしたい音程をピアノロールに打ち込むか、MIDIデバイスで入力する。
方法①ではなく、あえて方法②を使用する場面について
方法②を使うべき状況を仮定する。MIDIトラックにすでにインストゥルメントが含まれているが、そのMIDIを別の場所にルーティングしたいとする。
- これを実現するには、既存のインストゥルメントをグループに入れる(インストゥルメントを選択し、Windows では CTRL + G を、MacOS では CMD + G を押す)。
- 新しいチェーンを作成し、そこにExternal Instrumentを挿入。
- 方法②の残りの手順を踏んで実現可能。
補足:トラブルシューティング
正しく設定したはずなのに上手く音が鳴らないときに試すこと。
- 相対 / 手動チューニングモードではなく、MIDIインプットモードになっているか確認(Rezonator 左上の方にある鍵盤マークがONになっている状態)
- Rezonatorのツマミを色々いじってみる(RELEASE, DECAY, DRY / WETなど)
- サンプルを差し替えてみる
参考
▼ 公式Tips(翻訳元)
Xynth Audio – Guides – MIDI Routing
▼ 本記事では、Resonatorの概要や相対 / 手動チューニングモードについては割愛しました。その辺り、こちらの動画では日本語で解説してくれています。
▼ Ableton LiveでのRezonatorの実際の操作、音作りの参考に。他のTipsもハイレベル。
▼ Colour Bassについて
HYLEN LAB – 【解説】Colour Bassの音作りについて Part1【プラグインなど】