オオハシのLINEスタンプはこちら

マダミス『狂気山脈』にハマって、アニメ映画『神々の山嶺』を観てきた話

マーダーミステリー作品『狂気山脈』にハマって、タイムリーに劇場公開されていた山岳アニメ映画『神々の山嶺(いただき)』を観てきた記録です。非常に素晴らしい仕上がりで、日本での注目度としては過小評価されていると感じます。

というわけで、この映画を観るきっかけとなったマダミス『狂気山脈』の布教を絡めつつ、映画の感想を綴っていきます。相乗効果でさらに楽しめる。

オオハシ

原作漫画はこちら。映画観た後に全巻大人買い、答え合わせ的に楽しめました!

¥678 (2022/08/21 20:34時点 | Amazon調べ)

アニメ映画『神々の山嶺』について

今回観に行った『神々の山嶺(いただき)』は、日本人作家による原作が、フランスでアニメ映画化された作品。海外でも広く読まれていて非常に評価が高い、山岳ものの名作です。

夢枕獏氏による原作小説を『孤独のグルメ』の谷口ジロー氏が漫画化したものが映画のもとになっています。そのため、フランスの映画でありながら登場人物はほとんど日本人であり、山以外のパートでは日本が主な舞台です。

オオハシ

山に生きる男の生き様の話やね

映画公式サイト

映画『神々の山嶺』公式サイト – ロングライド
https://longride.jp/kamigami/

アニメ映画『神々の山嶺』- ネタバレなし感想

まずは、アニメ映画『神々の山嶺』自体の感想を。

対比の描き方で魅せる

山を登る者と登らない者、繊細さと壮大さ、日常と非日常。様々な対比が豊かに描かれていながら、1時間半のコンパクトな尺にぎゅっと凝縮されている。一度山を覚えた者の、山に取り憑かれたようなその狂気じみた執念は、山を登らない者には理解できない。その心象描写と、関わりあう人間の温度差の表現がなんとも言えず良い。

原作を踏襲した良質なアニメ

アニメとしては、恐ろしくも美しい山の表現は圧巻でした。近年一般的な3Dアニメでなく、ただひたすら上手い絵が見られる。原作漫画を踏襲した、渋くて古き良きテイスト。背景に描かれる日本の風景もよく観察されていて、素晴らしい仕上がりでした。よくよく見ると不自然な日本語に外国映画を感じる部分もあったりするらしく、もう一度細部をじっくり観てみたい。

効果音のこだわり

また、 静かなシーンでのFoley(効果音)の生々しさが非常に良くできていて、静と動の対比でいい緊張感を出していました。テントで暖かい紅茶を飲むシーン、寝袋のファスナーを上げるシーンとか。こういう細かいところに注目させるシーンと、全てを飲み込んでしまいそうな壮大な山の風景との対比を感じさせる演出が良い。

鑑賞のきっかけ – マダミスとの出会い

ここで一旦『神々の山嶺』から話が逸れますが、この映画を観に行ったのには明確な理由がありました。それが先日出会った『狂気山脈』というマーダーミステリー(以下、マダミス)の作品です。

マダミスとは「人狼」と「即興劇」を合わせたような、会話を中心とした推理ゲーム。プレイヤーは、他のメンバーに対して秘匿している各々のミッションの達成を目指しつつ、情報収拾や探り合いを経て、物語の真相に迫ります。

オオハシ

参加型のミステリー小説みたいな感じだね

そんなマダミスというジャンルを知って、ゲーム実況動画を視聴する中で出会ったのが『狂気山脈』シリーズでした。5人の登山隊(プレイヤー)で山に登る話。この作品自体がとんでもなく良い出来で、シナリオも配信映えも素晴らしかった。

その『狂気山脈』の解像度が上がると巷でうわさの山岳アニメ映画『神々の山嶺』が、ちょうど公開されたばかりということで、マダミス視聴の余韻をそのままに、勢いで観に行ってきたわけです。

マダミス『狂気山脈』シリーズ

今回『神々の山嶺』を観るきっかけになった、マダミス『狂気山脈』シリーズは「陰謀の分水嶺」、「星ふる天辺」、「薄明三角点」からなる3部作。全ての始まりとなる1周目シナリオ「陰謀の分水嶺」は、2022年7月現在、オンライン版が無料公開されています。太っ腹。

公式DL

【無料】マーダーミステリー『狂気山脈 陰謀の分水嶺』 オンライン用https://booth.pm/ja/items/1980320

この1作目「陰謀の分水嶺」で一気にハマって、様々な卓の各視点の配信アーカイブを視聴しました。尺がとんでもなく長いですが、作業用に聞くのにちょうど良くて、そしてどの卓も面白くてあっという間。

マダミスはそのゲーム特性上、ネタバレを踏むと二度とプレイできません。『狂気山脈』シリーズを自分でプレイする可能性がある方は、以下の動画は絶対に視聴しないでください。

DbD実況者卓。どの視点も面白いけれど、個人的に初見でおすすめしたい視点を挙げるならこちら。

『狂気山脈』と『神々の山嶺』

『狂気山脈』が『神々の山嶺』をリスペクトしていることは、制作者の方々の発言からも伺えます(厳密に言うとここでの発言はTRPG版の『狂気山脈』も込みの話だと思いますが)。

実際『神々の山嶺』で出てくるキーワードが『狂気山脈』の盤上にも散りばめられており、わかる人はわかる要素になっています。

これらの背景知識を持っていると、より推理や考察が捗るし、映画で雪山の風景や山を登る者の描写を見ていると、映像が脳内補完しやすくて楽しめます。

所々で『狂気山脈』の記憶もリンクして、映画そのものの良さ以上に豊かな映画体験ができました。特に、過酷な極高所環境での表現は『狂気山脈』に通ずる部分があって面白かった。

オオハシ

SAN値チェックですか?

アニメ映画『神々の山嶺』と マダミス『狂気山脈』- ネタバレ感想

本節の袋とじは、映画『神々の山嶺』と、マダミス『狂気山脈』シリーズ完結編「薄明三角点」までのネタバレを含みます。マダミス『狂気山脈』シリーズを未プレイ・未視聴の方は絶対に見ないことをおすすめします。

オオハシ

すばらしい作品なので、初見は自分でプレイ、もしくは配信アーカイブ視聴して擬似的にでもゲーム体験してほしい〜〜

狂気山脈の解像度が上がる

『狂気山脈』シリーズ、とりわけ3周目シナリオの「薄明三角点」では『神々の山嶺』のオマージュがあちこちに散りばめられています。

映画『神々の山嶺』を観る前に『狂気山脈』シリーズの2周目シナリオ「星ふる天辺」まで観ていたので、山の風景だったり、山を登る心理に対して解像度が上がったな〜と思っていたのですが、映画を観た後に完結編の「薄明三角点」を観たら、わかる人にはわかるハイコンテクストな話が盛り盛りでした。先に映画を観てよかった。

盤面のカードにある「ナイロンザイル」、「ベスト・ポケット・コダックB」は作中に出てくるキーアイテムでした。不穏すぎる、そして違う世界線の話だとわかる。「神々の山嶺」という直球なカードもありました。こういうワードから連想できる事柄から推理が進むこともあるかもしれない。

「薄明三角点」がもはや映画

狂気山脈の1〜2周目を観終えたタイミングで、映画『神々の山嶺』を観て、解像度がバキバキに上がったところで、3周目の「薄明三角点」を視聴。もう1本映画を観たような気分になりました。

以下は「薄明三角点」で一番好きな卓。DbD卓の雰囲気好きだ〜〜

マダミス『狂気山脈』擬似OST

余談ですが、マダミス狂気山脈では公式が推奨BGMリストを公開されており、GMによってはこれに忠実に音楽を利用しています(上記動画でも採用)。オリジナルで書き下ろすだけでなく、こういう手法でも実質OSTみたいなことができていて、クリエイター目線でも非常に勉強になりました。そして世界観を彩る選曲が非常に良い。

【BGMリスト】マダミス狂気山脈【※曲名にネタバレあり】|まだら牛|pixivFANBOX
https://madara-usi.fanbox.cc/posts/2140067

関連作品

次は答え合わせとして、漫画版『神々の山嶺』を読もうと思ってポチりました。あとは『狂気の山脈にて』も読みたいし、マダミス『狂気山脈』公式のコンプリートガイドも読みたい。

オオハシ

完全にどハマりしてるやつじゃん

22/08/09 追記:後日読みました。

関連作品 ①:漫画版『神々の山嶺』

マダミス狂気山脈の制作チームの方が、映画見た後の答え合わせ方式を推奨していたので、その通りにしてみました。結果、よかったと思います。映画版での情報の削ぎ落とし方が絶妙だった。

アニメ映画版では色々な要素を削ることで尺的にもサクッと終えていましたが、漫画版では、羽生丈二という山に魅入られた男の人生がより濃く描かれていました。

数々のエピソードから彼の生きづらさを読み取るにつけ、今の時代ならおそらく何らかの発達障害やそれに準じるグレーゾーンの人間として説明がつくと思います。単に「不器用な山男」では片付けられない生きづらさを感じる。

本作は純粋な山岳ものというよりは「そうとしか生きられない」人間たちの人生ドラマの側面も強い。映画を見た上で漫画を読んで、そういう印象に変わりました。

そしてとんでもない画力。敢えてKindle版を買ってiPadの大きめの画面で読みましたが、えげつない書き込みと壮大な山の風景を堪能できて良かったです。

マダミス狂気山脈に出会わなければ絶対に手に取ることのなかった作品だけど、機会に恵まれてこの素晴らしい作品に出会えたことがうれしい。

オオハシ

読んでよかった。ぜひもっと多くの人に知ってほしい

¥678 (2022/08/21 20:34時点 | Amazon調べ)

関連作品 ②:マダミス狂気山脈完全解説読本

マダミス狂気山脈の制作者が出している公式コンプリートガイド。3部作のネタバレ全開で、プレイ後・視聴後の余韻にどっぷり浸るのに最適な読み物でした。

装丁が美しく、良い紙使っていて立派。内容も詰め詰めで満足感があり、マダミス狂気山脈を愛する人はきっと楽しめる。

またメイキングについてかなり突っ込んだ話までしてくれていて、分野問わず多くのクリエイターにとっても非常に刺激になると思う。

特に、チーム作業において誰が何をしたのかという分担と、各々の制作スタイルや美意識のすり合わせ(あるいは敢えてすり合わせない)過程の話が面白かった。

思っていた以上に制作側が意図してデザインしていた部分が多くて、成る程ここまで考えて体験設計していたのだなと感嘆したとともに納得した。コンセプトの目の付け所も、それを実現する力も凄すぎる。

ここで買えます

【マダミス狂気山脈完全解説読本】狂気山脈 陰謀の分水嶺 THE COMPLETE GUIDE
https://dappleox.booth.pm/items/3137663

作品情報