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『探偵撲滅』クリア後感想:声優陣の好演・怪演が光る探偵ノベル(ネタバレなし)

ゲーム実況でたまたま見つけて、キャラデザインとCVが刺さった『探偵撲滅』をプレイしてみました。

強気の価格設定に定評(?)がある日本一ソフトウェアの開発であり、発売からしばらく時間も経ってしまっていたので、今回は中古で購入。

フルプライスのゲームとしては製品の完成度にやや不満が残るものの、キャラとCVに惹かれて中古で購入した筆者は、十分に満足なプレイ体験ができました。

▼ 主人公・北條和都。ワトソンくん?

『探偵撲滅』とは

『探偵撲滅』は、2021年5月27日に発売された探偵シミュレーションアドベンチャーゲーム。

「八つ裂き公」事件解決のため、「探偵同盟」の14人の探偵が孤島に集結する。しかし島には既に八つ裂き公が潜んでおり、早速事件が起きる中、主人公・北條和都は他の探偵の力を借りながら事の真相を探っていきます。

良かった点

一人一人個性あふれる魅力的なでキャラクター

キャラクターデザインがとてもいい。それぞれに個性的で、衣装デザインも美しい。「推し」を見つける楽しさを求めている人は満足できると思います。

フルボイスで楽しめる声優陣の好演・怪演

キャスティングがきれいにハマっている。キャラデザインに合っていて、それぞれの魅力が声優陣によって引き出されていて非常に良かった。

特に、筆者がこのゲームを手に取るきっかけとなった「外道探偵」(CV. 石谷春貴)のねっとり迫真サイコパスボイスは、耳にこびりついて離れない存在感でした。癖になる。

最後まで二転三転するシナリオ

ネタバレになるので何も言えませんが、序盤から意外な展開を持ってきたり、要所要所に山場があったり、あっちこっちドタバタして最後まで真相が何なのかわからず、ハラハラしながら見ていられる。

気になった点

捜査パートでの操作性がよくない

捜査パートのゲームシステムにかなり難がありました。ターン制でフィールドの探偵たちを駒のように動かして指示を出していくのだが、これが非常にストレスフルな仕上がり。

  • 規定のターン数以内に謎解きを完了しないとゲームオーバー(評価を下げてとりあえずクリアすることができない)
  • 1マス単位の繊細な移動が求められるのに、視点が変更できない・感度が高すぎるなど、操作性が悪い
  • 捜査中のテキストを読み飛ばすと、解明パートで読み返せずに詰む

捜査パートの仕様で勢いが削がれて、物語への没入感が損なわれる。

慣れてくると手数を読んで行動するゲームシステム自体は面白いと感じるが、もう少し操作性を洗練させてほしかった

バグが多い、誤字・脱字が多い

作品としての楽しさ以前に、プロダクトとしての詰めが甘い点が気になる。

セリフをスキップしていくと画面がホワイトアウトしてセーブもできずにやり直す羽目になったり、既読のテキストを読み飛ばして次の選択肢までスキップが使えなかったりということがあった。

誤字・脱字も多く、声優陣の好演に引き込まれる中、話の腰を折るような誤字に引っかかってしまうことがあって、非常にもったいない。

これがインディーズゲームだとか、安めの価格帯で売っているものならそこまで気にしないけれど、同系統の作品の中でも強気の値付けをしているタイトルでこの完成度は残念。修正パッチ出した方が良かったと思います。

推理ゲームとして楽しむのは難しい

本作は、推理ゲームというよりノベルゲームに近いプレイスタイル。

筆者は特にプレイスタイルで選んでこのゲームを手に取ったわけではないので、オート再生で聞いて楽しめる点はありがたく、これはこれでノベルゲームとして楽しめた。

一方で、推理ゲームを期待していると少しがっかりするかもしれない。作為的にプレイヤーに情報を与えずに進行する部分があり、捜査中や推理中に突然出てくる情報も多い。そういった情報のコントロールもあって、随所に論理の飛躍がある。

推理や考察を先取りしていくことができないので「あれ?これってもしかして…」と、徐々に気付き始める過程を楽しむのが難しい。純粋に推理を楽しむには向かない。

さいごに

探偵・謎解き・デスゲームものが好きで、キャラデザインが刺さるならプレイしてみても良いと思う。ただ、システム面の完成度はいまいち。同価格帯の他作品と比較すると、定価のフルプライスで買うのは高いかなという印象で、万人におすすめできるタイトルではありません。

一方で、キャラのビジュアルやCVに惹かれ、中古で買ってプレイした結果としては、十分満足できる作品でした。

作品情報

探偵撲滅|日本一ソフトウェア

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