2025年2月9日に、初めての自主制作本を文学フリマ広島7にて発売しました。
『旅するトリ vol.1 – タンゴを聴きに川崎へ』という旅エッセイ本です。今後連作予定の『旅トリ』シリーズ、記念すべき創刊号となります。
本記事ではそんな疑問にお答えするべく、本の内容について少し詳しくご紹介していきます。
本当はイベント前にやりたかったのですが… 初出店ゆえ本を出すので精一杯でした。通販前のご案内ということで改めて。
『旅トリvol.1』販売情報(2025/03/23 現在)
① オンラインショップ @ BOOTH
3/23 オープン!グッズと合わせて販売開始しております!▼
② 委託販売 @ 瀟洒珈房 月織堂(札幌・南6西3)
在庫少数ではありますが、すすきののカフェバー・月織堂さんにてお取り扱いいただいております。見本も手に取ってご覧いただけます。▼
目次
旅とエッセイと、音楽と。
本作のテーマは、バンドネオン奏者の早川純さん率いるハヤカワ・テルージ・トリオのコンサートを聴きに札幌から川崎へ行ってきた話。旅の思い出や、個人的な音楽観にまつわるエッセイ、バンドネオンに関するコラムなどを収録した旅エッセイ本です。

▼ あらすじ(本書裏表紙より)
― 音楽に苦しんだ心が、音楽で癒えることもある。
収録エッセイ|もう一度、純粋に音楽を楽しむために」より
とあるコンサートを聴くために、久しぶりの飛行機で札幌から川崎へ向かう。
「一耳惚れ」から始まる未知の音楽との出会い。
タンゴという音楽、バンドネオンという楽器を聴き始めて生まれた心境の変化とは。
音楽をめぐる思索と旅の思い出を、文章・写真・イラストで綴る旅エッセイ。
なぜタンゴなのか
私はプレイヤーとして、あるいは作編曲者として細く長く音楽を続けてきました。そういう中でどうしても精神面での波はあるもので、ちょうど音楽がしんどく感じていたタイミングで、偶然の出会いから早川さんの音楽を知り、タンゴというジャンル、バンドネオンという楽器を聴き始めて、色々と心境の変化がありました。
今回の遠征は、ただの娯楽旅行として片付けるには惜しく、音楽と向き合う上で自分の中でもう少し深い意味付けがされていたように思います。
収録エッセイ「もう一度、音楽を純粋に楽しむために」は、一連の体験を自分自身が消化するために衝動的に書いた文章を元にしています。詳しいことは本編で語っているので割愛するとして、好きな音楽を受容することに伴う感情の整理と、情熱の発露のようなものです。
同時に、せっかく形にするのだから、誰かがタンゴやバンドネオンに触れるきっかけになってくれたらいいなというささやかな願いを込めて「バンドネオンって何?」「アコーディオンと何が違うの?」といったジャンル入門的なコラムも収録しています。
本というメディアについて
自主制作本を作ることには以前から興味がありました。今回、本にしたいくらいの熱量で書ける題材を得たことをきっかけに、勢いそのまま挑戦して出来上がったのが本作です。
初めて自身の創作を本にしてみて、このクローズド感が非常にしっくりきています。お金を払って物理本を手にしてまで読みたいと思ってくれる人だけが見るもの、という社会性のさじ加減がちょうどいい。ブログやSNSで不特定多数の目に晒すには内省的すぎて書き渋ってしまう、有料記事としてプラットフォームに置くのも気分にそぐわないし、でも届くべき人には届いてほしい、みたいな事柄を書くのにかなり良いメディアだと感じました。
個人での本の制作というのは正直かなり大変なのですが(作っている人はみんなすごい)、書きたいネタも色々あるので、今後もライフワークの一つとして継続していく活動になりそうです。
旅トリ、こんな人に読んでほしい
「今日のオニオオハシ」を楽しんでくれた方へ
まず、私が過去にSNSで連載していた絵日記「今日のオニオオハシ」を応援してくれていた方にはきっと本作も楽しんでいただけると思います。旅の日記や考えごと、新作イラストを収録していて、ちょっとリッチな絵日記のような雰囲気を意識しました。創作モチベーションの面でも「今日のオニオオハシ」の延長線上にある作品です。
テーマのある旅や、内省的な文章をお好みの方へ
今後連作したい「旅トリ」シリーズについて言えば、テーマのある旅や、内省的な文章をお好みの方と波長が合うのではと思います。
旅の理念というほど大仰なものではないけれど、なんとなく、遠出するときには自分なりのテーマ設定や意味付けをしていることがよくあって、「旅トリ」シリーズではそういう話を重ねていきたいなと思っています。
例えば「旅トリ」シリーズ続編、制作中のVol.2では、とあるゲームの聖地巡礼で墨田区本所エリアを散策した話を書き進めていて、下町人情あふれる素敵な出会いを特集する予定です。
音楽を愛する同志たちへ
今作『タンゴを聴きに川崎へ』に限って言えば、旅よりも音楽について考えている比重が大きくなっています。内容的にも、音楽人には共感していただける部分があるかもしれません。
特にエッセイ部分については、音楽を愛しつつも、それゆえに音楽に苦しめられた経験のある同志たちへ届けられたら嬉しいです。今しんどくても、視点が変わればまた音楽を楽しめるかもしれない。そんな体験談の一つとして。
あるいは単に蛇腹楽器、バンドネオン、タンゴへの興味の入口としていただくことも淡く期待しています。潜在的にこの辺りのジャンルが好きな人はもっといると思うのです。

気になるキーワードがあれば、ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです!
本についての基本情報

旅するトリ vol.1 – タンゴを聴きに川崎へ
HAYAKAWA TERUGGI TRIO日本ツアー 2024
“CANTOS” 川崎公演によせて
2025年2月9日 初版 第1刷 発行
■ 著者:pal ohashi | 大橋パル
■ 発行 :オオハシ文庫
- 仕様:A5サイズ / フルカラー / 本文32p
- 価格:800 〜 1,100円 程度
※ イベントまたは対面直販では800円、それ以外の販路では諸経費に応じて価格が変動します。








で、どんな本なの?