6月末に「今日のオニオオハシ」が1周年を迎えた。本当は1周年記念に公開しようと思って書き綴っていたのだけど、うまくまとまらなくて随分と時間がかかってしまった。1年続けてみて、いま考えていることを記録しておこうと思う。
毎日更新の絵日記 #今日のオニオオハシ を描き始めて1年経ちました。よく続いたなぁ。近いうちこっそり周年企画をやります pic.twitter.com/qIoTxlPOuM
— パル (@rupaling) 2017年6月28日
目次
1. 今日のオニオオハシとは
今日のオニオオハシは、その日にあった「よかったこと」をテーマにした絵日記。うれしかったことでも、達成できたことでも、琴線に触れたことでもいい。自分をオニオオハシに見立てた絵に、ちょっとした文章を書き添えている。2016年6月末からTwitterで、少し遅れてInstagramで毎日更新し始めた。たった1枚から始まった絵日記が、いまや400枚近い連作になったのを見ると、我ながらよく続いたものだと思う。
▼ 記念すべき初回の「今日のオニオオハシ」。皿にのった餃子や、机上の工具を描く画力がなくて、周りに散らす構図でごまかしている。
日記のようなもの#今日のオニオオハシ pic.twitter.com/zRAjFmvJuw
— パル (@rupaling) 2016年6月28日
2. 連載の動機と位置づけ
2-1. 今日のオニオオハシを始めた動機
そもそもなぜ、今日のオニオオハシを描き始めたのか。その理由はいくつかあるけれど、ざっくり言えば自己肯定感を高めたかったから。
まず、わたしの場合、大抵の行動の動機はネガティブな感情にある。コンプレックスを解消したいとか。しんどい状況を打開したいとか。生きづらい人生をもっと生きやすくしたいとか。今日のオニオオハシも例外ではなくて、いくつかのコンプレックスが高じて始めた。当初からなんとなく持っていた目的はそのままに続けてきたけど、この機会に改めて言語化してみる。
2-2. 今日のオニオオハシ連載の目的
- アウトプットの習慣化
- 内面の記録
- 今日の意味付け
何かを生み出したいのに、口先ばかりで一向に何も生み出せない自分が嫌だった。まずは毎日絵を描く、文章を書く。そういうことを苦にせずできるようになりたかった。息をするように何かをアウトプットする習慣をつけたい。
いくらデータでライフログを取っても、自分の考えたことや感情、嬉しかった記憶は、自分で綴らない限り記録されない。楽しかったこと、感動したこと、幸せだったことを忘れてしまうことが悲しかった。放っておけば消えてしまう記憶をとどめておきたい。
「今日も何もできなかった」、「今日も何もしなかった」と自己嫌悪に苛まれて一日を終えることがよくある。でも、実際のところは、毎日何かしらの活動はしているわけで。今日という一日には意味があって、無駄ではなかったということを実感したかった。低すぎる自己肯定感を高めて、罪悪感なく生活したかった。一日を振り返ってよかったことを記録することで、何気無い日常の充実度が上がるのではないか?と仮定した。
2-3. 今日のオニオオハシの位置づけ
「今日のオニオオハシ」は、完全に自己満足でやっている。よい成果物を生み出すことよりも、毎日コンスタントに記録をつけることと、その習慣による自分の内面的な変化を求めている。描いた内容で今日を意味付けるだけでなく、今日も1つアウトプットをしたという事実が自己肯定感を高める。これは、自己嫌悪癖のある自分にとっては精神衛生上とてもよかった。それで十分。
だから、あまり、楽しいコンテンツにする、というようなことは、今のところは考えていない。あとで詳しく書くけれど、SNSで公開しているのも、承認欲求というよりはむしろ公開して人の目に晒すことが、継続のために有効な手段だからに過ぎない。「いいね!」やコメントがもらえるのは、それはそれで、もちろんうれしい。描き続ける原動力になるし、自分の作ったものを愛でてもらえることは喜ばしくてたまらない。
それでもやっぱり「今日のオニオオハシ」に関しては、これからもコンテンツとしてもっと面白くしようという方向へ舵を切るつもりはない。あれは自己満足の産物で、それを一緒に面白がってくれる人がいたらラッキー。そんなスタンスで、気楽に、気長に、続けていきたいと思っている。
3. 習慣化について
3-1. 習慣定着のきっかけ
座右の銘にしたいほど、大好きな小説の一節がある。
「人間の最大の武器は何だか知ってるか」
「さあ」
青柳雅春はハンバーガーに噛み付き、聞き返した。
「習慣と信頼だ」
出典:伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』
人間の最大の武器は、習慣と信頼だという。
「今日のオニオオハシ」を描くことは、もはや自分との約束。サボると過去の自分に申し訳が立たないから、描いている節がある。
描くのがしんどすぎて、記憶に残っている日がある。それが、昨年の浅草サンバカーニバルの日。何度となく寝落ちしながら書き終えた一枚だった。この日を境に、習慣の強さが面倒臭さを上回った。
やっぱサンバ好きだ#今日のオニオオハシ pic.twitter.com/AUagnOawao
— パル (@rupaling) 2016年8月27日
今では歯を磨くのと同じように、自然とペンを握るようになった。習慣が定着してからも、しばらくは「あれだけ疲れていた日にも描いたのだから」という思いだったけれど、今は、絵日記を描ける余力を持って一日を終えるのがベストと考えている。
3-2. 習慣化のコツ
ところで、今日のオニオオハシを習慣化する過程で気づいたのだけれど、新しいことを習慣化するには、いくつかコツがある。
- 目的を明確にする
- 「まず1週間」でハードルを下げる
- 公開する
- ルールに幅をもたせる
- 身近な人と約束する
やってもやらなくてもいいようなことは、まず続かない。なぜそれをやらなきゃいけないのか、やりたいのか。決意を固めて、これはやらざるを得ないとなったら始める。
やり始めからずっと続けようと思うから、つらい。1週間続けばいいやという軽い気持ちで、まず始めてみる。すると、意外なことに成功体験がクセになる。自然と続けたくなる。
Twitter、Instagram、note、ブログ、なんでもいい。公開することで監視されている状況をつくる。
最初からきっちり決めたくなるのを、ぐっとこらえる。時間も、クオリティも、やり方も、フォーマットも、まちまちでいい。うまくいかなければ、変えればいい。
友達との約束がかなり効く。
4. 自分ルールを設定する
継続のためにルールに幅をもたせる話をしたけれど、もちろんルール自体は必要だったりする。試行錯誤の末、最終的にうまくいっているのが、こんなルール。
- 更新は毎日「今日の終わり」にする。
- 失敗しても基本的には描き直さない。
- ネガティブなことは極力書かない。
徹夜しても朝に描く。飛行機で日付変更線をまたいでも描く。例外は作らない。
クオリティにこだわると自分の首を締める。雑でもいいから描く。気が向いたときだけ凝る。とりあえず何かしら更新するのが最重要。
ほんの小さなことでも、琴線に触れた出来事を描く。本当につらい日や何もなかった日でも、できるだけネガティブな言い回しで表現しない。見返して楽しい日記にする。
5. 次の1年間の目標
最初の1年は、得意でもない絵を毎日描くだけで精一杯だった。書き添える文章も、スペースに収まる字数に抑える以上のことはできなくて、物足りなさがある。だから2年目は、ちょっとレベルアップしたい。
- 絵の構図を工夫する
- ボキャブラリーを増やす
- 画材を見直す
- 「今日のオニオオハシ展」を札幌と東京近辺で開催
- LINEスタンプをリリース
- オニオオハシグッズの制作・販売
- アート方面への展開
同じような構図の絵ばかりになってしまうので、色々な角度にチャレンジ。あと、同じシチュエーション(例:PCに向かう図)が続くときは、ネタ元である自分の生活が、流動性に欠けているということ。なので、生活に変化を取り入れる。ネタ志向で暮らす。
友だちがこの1年分の文章でテキストマイニングをしてくれたのだけど(すごい)、毎日書いているわりに語彙があまりに貧相だった。感情や形容、表現のニュアンスを大事に。言語化をさぼらない。
画材は少しずつ変えているけれど、今のが最適のスタイルなのかまだわからない。いまは主に色鉛筆を使っているけど、そろそろコピックを揃えてみるのもいいかな。
6. ゆくゆくは達成したいこと
今日のオニオオハシは、とりあえず飽きるまで続けてみようと思っている。今のところ、やりたい派生企画も色々思いつくから、まだまだ楽しめそう。なんとなく考えているのは、こんな感じ。
という方向でやっていこうかなぁと。
【小話】 1周年記念本「今日のオニオオハシ」
なんと、今日のオニオオハシが書籍化した。非売品だけど。
パルさん(@rupaling )の#今日のオニオオハシ 一周年記念の本を@Akinori_jp と一緒に作りました!
ようやく渡せた! pic.twitter.com/K0GihZY8vN
— S.Arima (@ShunArima) 2017年7月23日
知らぬ間に友だち2人が手間隙かけて編集してくれていて。連載開始から1年経った記念に、製本された状態でいただいた。既製品のような仕上がりにびっくり。帯には読者コメントが並んで、本当にそれっぽい。
初期の初期から見てくれていたもんね。ありがとうございます。
2冊もらったので、1冊は自分用で大事に保管。もう1冊は修論と一緒に仏壇にのっけておきました。あと10冊くらいあるみたいだけど、結局誰が持って行ったのかな。同級生や後輩かな。
自分の日記が世に出回ってしまい、嬉しいやら恥ずかしいやら。





