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【宅建】独学一発で合格する戦略。勉強方法・学習時間・おすすめ参考書など。

オオハシ

2022年試験お疲れ様でした!

決意を新たに頑張りたい方向けに、情報提供できればと思います。掲載の参考書等を最新版に更新しました。(2022.10.16 更新)

2017年試験で、宅建試験に合格しました。なんとか独学一発(5問免除なし)で受かることができたので、その経験をもとに、合格までの道筋をまとめました。

成功バイアスのかかった結果論にならないように、計画立てて取り組んだ学習の結果、上手くいったこととイマイチだったことを自己評価してみます。

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これから独学受験を考えている方の一助になれば幸いです!

本記事は、筆者の受験した2017年の状況をもとに書いています。テキストの更新など、できる限りのアップデートは心がけていますが、試験制度等の最新情報は別途調べるようにしてください。

宅建試験の概要

宅建とは

宅建は「宅地建物取引士」の略称で、不動産取引の専門家であることを示す国家資格です。この宅建士になるために受ける資格試験を「宅建試験」といいます。

土地や建物の売買・賃貸の斡旋、仲介などをする不動産会社において、契約の際、不動産に関する専門知識のない一般のお客さんに「重要事項」を説明するのが宅建士の仕事です。

ただし、この試験に合格するだけでは「宅建士」を名乗ることはできません。宅建試験合格後、試験開催地の都道府県知事に登録手続きを行い、取引士証の交付を受けることが必要です。

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宅建試験に合格した人は「宅建試験合格者」であり、登録手続きを完了しない限り「宅建士」ではありません。

宅建試験の難易度

宅建試験の合格率は、例年15~17%程度。受験資格に制限がなく、気軽に受けられてしまうことも合格率の低さにつながっており、実態としての宅建試験は国家試験の中では比較的易しい方の試験です。

ただし、それはあくまで国家試験の中での話。FP2〜3級などの身近な資格試験と比べれば段違いに難易度の高い試験であるため、しっかりと腰を据えた勉強が必要です。

どういう人が取るべきか

筆者個人の見解としては、すでに不動産業界で働いている方や、不動産業界への志望度が高い就活生などがキャリアアップのため「絶対取りたい」と思ったときに、決めた期間でしっかり勉強してサクッと取るのがいいかなと思います。

持っていたら便利そう、くらいの動機で取ろうとするのは、個人的にはあまりおすすめしません。後で詳しく解説しますが、勉強が得意であってもそうでなくても、初学者の場合はかなりのリソースを試験勉強に割くことになるので、自分にとって宅建が日々の生活で時間と労力を費やす対象として見合う価値のあるものかどうかは考えた方がいいです。

独学で受かるための方針

基本戦略:宅建業法を固めて、過去問を解きまくる

宅建試験において最もスタンダードな戦略は、配点の高い宅建業法を満点狙いで固めて得点源にすることです。

また、宅建試験は過去問の焼き直し要素が多いため、過去問を繰り返し解いて対策するのがセオリーです。

勉強開始〜試験本番までの全体的なスケジュールとして、いかに早く基礎(特に宅建業法の範囲)を完成させて、過去問演習に時間を割けるかがポイントになります。

勉強時間の目安

宅建に受かるための標準的な勉強時間は「最低300時間」程度と言われています。

しかし、実際は、完全な初学者の場合は300時間では全く足りないでしょう。最低値の300時間で受かるのは、法学の知識があるとか、実務経験があるとか、そういったアドバンテージを持っていることが前提だと考えた方がいいです。

予備知識なしの初学者が初受験するなら、300〜500時間程度でしょうか。幅が大きいのは、個人差があるから。こういった試験勉強が得意かどうか、どこまで対策の完成度を求めるか(最小の勉強時間でボーダーギリギリで挑むか、しっかり時間をかけて安全圏まで持っていくか)など、個々の能力や勉強スタンスで、見込むべき総学習時間は変わってきます。

勉強をスタートする時期

宅建試験は、例年10月の第3日曜日に行われています。勉強開始から試験本番まで、基本的には少なくとも半年は見積もっておくのをおすすめします。つまり遅くとも4〜5月辺りには着手していたい。

筆者の場合は、宅建に向けて始動したのが、同年4月上旬。最初は学校見学に行ってみました。模擬授業を受けてみたところ、進みの遅さがもどかしくて、独学することにしました。

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講義、早送りしたい(動画だったら1.5倍速できるのに…)

筆者の場合の勉強時間と反省点

下記の条件を考慮して、学習計画では360時間を見積もりました(学習計画の詳細は後述)。

  • 初学者である(ー)
  • 5問免除を持っていない(ー)
  • 資格勉強自体にはそこそこ自信がある(+)
  • 独学で最短距離を行ける(+)

実際は予定より少ない勉強時間で本番を迎えました。結果的にはギリギリ合格という結果になりましたが、感触としてはやや準備不足でした。

やはり、筆者の場合は確実に受かるラインに載せるなら予定通り360時間程度は必要だったと思います。

ただ、学習開始時期が遅かったというより、ギアを上げるのが遅かった感覚です。序盤はなかなか勉強に身が入らないとはいえ、本気出すのが遅過ぎました。

ともあれ、見積もった学習時間に対して、自分が日々かけられる学習時間から逆算して学習開始の時期を決めるのがよいでしょう。

オオハシ

半年前からゆるりと着手するのは良かったとして、試験直前期になって無茶な詰め込みする前に、一段階ギアを上げるべきでした。

学習計画の策定

学習計画の作り方

独学の場合、学習のペースがつかみにくいので、筆者は体験授業に行った予備校のカリキュラムを参考にして学習計画を作りました

カリキュラムの内容に自分の手持ちの参考書の項目を当てはめて、同じペースで進めることにしました。そこから逆算して1日のノルマを設定。

毎年ノウハウの蓄積される予備校が出すカリキュラムは理にかなっているので、各項目の重要度、すなわち、どこにどのくらい時間を割くべきかを測る指標になります。

独学と通学について詳しくは後述しますが、通学を検討しているなら、とりあえず見学や体験で資料をもらってみるのがいいと思います。

「これを自分一人でできるか?」というのが通学と独学の判断基準になるかもしれません。

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こんな感じで、自分用の学習計画を作りました

学習の流れ

勉強開始から試験までの具体的な流れとしては以下。

STEP

まず参考書を1周
ここで一通りの基本事項を押さえていきます。ここでの単元毎の時間配分の策定に、予備校のカリキュラムが有用。通信教育だと、ここのペース管理を外部委託できる点では楽になると思います。

STEP

2周目から応用知識も。
2周目に入る頃には過去問に少しずつ手をつけつつ、より応用的な知識も入れていきます。

STEP

ひたすら過去問周回!
ざっくりとインプット作業を終えた頃には試験が近づいているので、ひたすら過去問をやります。特に、正答率の高い基礎的な問題や、過去に何度も出ている頻出問題は絶対に落とさないように復習。

テキストについて

下記リンクで紹介するテキストは、筆者が使っていた一例です。必ずしもこれらがおすすめというわけではありません(実際使った感想をおすすめ度で提示)。

テキストの選び方としては、まず教科書的に使う基本の参考書と、過去問集が必須。あとは必要に応じて入門テキスト、テーマ別問題集、民法対策の読み物など加えます。

本屋で色々めくってみたりして、自分が読みやすそうなお好みのものでOKです。ただし、参考書と過去問集は同じ出版社のものに揃えると便利です(過去問の解答に、参考書の参照ページが書いてあったりするため)。

筆者が使ったのはいずれも2017年時点での最新版でしたが、リンクは現時点で最新版のものに更新しています(2022.10.16更新)。

入門:日経『うかる!マンガ宅建士入門』

おすすめ度:3.5 out of 5 stars (3.5 / 5)

宅建って何?という知識ゼロ状態なら、まずはこれ。なんとなく雰囲気がつかめます。別に読まなくてもいいですが、導入用に読みやすいものが欲しければおすすめ。宅建を受けるか迷っている方にも。

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基本の参考書:『ユーキャンの宅建士 速習レッスン』

おすすめ度:2.5 out of 5 stars (2.5 / 5)

デザインだけで選びました。中身もデザイン的には読みやすくて良いのですが、学習をすすめていくうち、内容的には少し物足りなさが出てきました。いま選ぶなら、最小限の内容に絞ったものではなく、もう少しボリュームがあって詳しく網羅しているものにします。

本書で足りない部分は、手書きで補足しながら自分専用の参考書にしていきました。そういう使い方に抵抗がないとか、紙の参考書をできるだけコンパクトに持ち歩きたい方には有りです。

テーマ別問題集:『ユーキャンの宅建士 テーマ別問題集』

おすすめ度:3 out of 5 stars (3 / 5)

参考書と合わせて過去問とは違って一定の分野だけで解けるように改題されていたりするので、あくまで参考書の補助として使うのがいいと思います。

過去問の周回の方が優先度が高いので、参考書1周目の初学のとき、復習に使うのがおすすめ。

過去問集①:『ユーキャンの宅建士 過去12年問題集』

おすすめ度:2 out of 5 stars (2 / 5)

これもユーキャンで合わせて選んだのですが、筆者が使った2017年度版は、正直あまりよくなかったです。参考書の参照ページが書いていなかったことと、解説が短いのがイマイチでした。最新版は改良されているかも?

前述の通り、過去問集に関しては参考書で選んだものとメーカーを揃えると、復習しやすくて便利です。

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過去問集②:『出る順 宅建士 ウォーク問過去問題集』シリーズ

おすすめ度:5 out of 5 stars (5 / 5)

オオハシ

受験時使ってないけど、いま選ぶなら確実にこれ使います

評判の良いこれ、やっぱり使っておいたらよかったなぁと思います。学習の早い段階から過去問を繰り返すのがいいですね。いま選ぶとしたら、これを早期から始めつつ、参考書と同じ出版社の過去問集(普通に年別で解けるもの)を併用します。

民法対策:『民法がわかった』

おすすめ度:5 out of 5 stars (5 / 5)

初学者の民法対策はこれがおすすめ。基本の参考書の民法範囲の補足に読んだり、過去問や問題集でわからなかった部分の復習に使うと、より深い理解が得られる良書でした。

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独学で受かるためのポイント

最初に受験戦略を決めてから、全力疾走する

ただ闇雲に勉強するのではなく、どれくらいのペースで取り組めば完走できるかを見積もる必要があります。

どんな試験にも、勉強の進め方にはセオリーがあります。どの時期に何ができていなければいけないのか。トータルでどれだけ勉強時間が必要なのか。試験範囲の中でどの部分に最も時間を割くのか。

宅建の場合は「宅建業法を得点源にする」、「過去問を制覇する」というのがセオリーです。10年分を40点後半取るまで周回する。筆者の場合は少し見通しが甘く、過去問に手をつけるのが遅すぎました。10月に入ってから始めたので、1周しかできませんでした。受かったのは運も含めた結果論であり、求められた勉強量に対しては足りていなかった感覚があります。

テキストはとことん詳しいものを使う

独学は、テキスト選びが全て。教科書として使うものは、全範囲をある程度細かい事項までしっかり網羅してくれている、とことん詳しいものを使うのがおすすめです。後から色々買い足すよりも、1冊を使い込んで記憶の精度を高めるイメージ。

学習の早い段階から、YouTubeを活用する

YouTubeで宅建の講義動画が多数上がっています。その中でも宅建受験生の中で絶大な支持を誇るのが、みやざき先生。みやざき先生のおかげで何点もぎ取ったことか。

オオハシ

その節はありがとうございました…!

重要ポイントとその覚え方のコツ、近年の傾向、今年のヤマなど、参考書では埋めきれない知識を効率よくインプットできます。

YouTubeの動画を授業がわりにして自分の参考書を進めつつ、喋っている言葉を覚えるほど繰り返して試験まで聴き続けた思い出。

よくある質問

Q1. 「宅建は誰でも受かる」は本当?

オオハシ

ある意味では本当。覚えるべきことを、全部完璧に覚えれば誰でも受かる。だけど、要する時間と労力は人それぞれ。

「宅建はそんなに難しい試験ではないから、誰でも受かる」というのはよく聞きますが、これには語弊があります。

「然るべき時間を割いて、然るべき方法で勉強すれば」必ず合格できます。逆に、十分な時間を確保しなかったり、勉強方法を間違えたりすると、勉強が得意な人も普通に落ちます。

宅建は士業の中では易しい部類に入るとされていますが、宅建主任者試験から宅地建物取引士試験に変わって以降、試験も難化傾向にあります。

宅建試験は知識の正確さを問うタイプの試験で、中途半端な覚え方では太刀打ちできません。本気で時間を捻出して、やっと受かるレベル。

宅建試験は覚える量が多い上に、正確な知識が求められます。その知識を問題の中でどう使うかも、練習を重ねるしかありません。とにかく、時間がかかるのです。

つまり、覚えなければいけないことを全部覚えれば、誰でも受かります。問題は、それにどれだけ時間と労力がかかるかということです。

勉強が得意な人も、あまり舐めてかかると時間切れします。1ヶ月や2ヶ月で受かるというのは、法律を専攻していて民法に強いとか、実務経験があって5問免除を持っており、大方の知識も身についているなどのアドバンテージがなければ難しいでしょう。勉強が得意な自覚がある人ほど、時間の見積もりは余裕を持ってすることをおすすめします。

Q2. 通学・通信・独学。結局どれがいいのか?

オオハシ

内容的には、独学で十分対応できる。自分の向き不向きを考えて決めましょう。

独学のメリットは、自分のペースでできることと、時間とお金の無駄がないことです。デメリットは、学習のペースが掴みにくいこと。

大学受験などで勉強慣れしていて、学校に行かなくても学習計画を自分で作って、それを実行できる力があるなら、通学や通信のメリットはほぼありません

今は便利な世の中で、YouTubeの講義も充実していますし、独学でも必要に応じて講義を受けることはできます。独学の場合、法改正などに対応した時事的な着眼点は、このような講義動画を活用して情報をインプットするのが重要です。

一方で、自分なりの勉強方法を確立した経験がなく、学習計画の策定やモチベーションの維持に自信がない方は、時間とお金をかけて外部のサポートに頼る価値があります。

通学と通信はお好みで。学習計画のサポートだけでよければ通信、自分にある程度の強制力を課したいなら通学がいいと思います。

単純に金銭面の理由だけで独学を選ぶのはあまりおすすめしません。独学で身が入らず何年もかかるなら、最初から通学して早めに合格決めた方がコスパ良好なので。適性で選びましょう。

Q3. 独学だけど、模試は受けるべきか?

オオハシ

個人的には、貴重な試験直前の時間は自習に費やした方がいいと思います。

例年9月に大手予備校で模試があります。通学生以外の一般の受験生にも開かれており、申し込めば誰でも受験することができます。

独学者に模試受験は必要なのかという問題ですが、模試を受けるべきなのは試験慣れしていない場合だけです。

模試を受けるメリットは、試験本番さながらの雰囲気を味わうことにあります。試験慣れしていなくて、緊張してしまいそう、という人は受けておくと安心です。

他方、すでに試験慣れしている人なら、大事な試験直前期に、時間とお金をかけてまで行く必要はないと考えます。筆者も、結局受けなくて特に問題は感じませんでした。

独学を選ぶような勉強に自信がある方なら、その時間を使って、自分の勉強を進めた方がいいでしょう。もちろん、試験での時間配分を覚えるために、自分で時間を計って過去問を解く練習は必要です。

宅建は、受かるべくして受かる試験。

筆者の場合は、半年の勉強で自己採点36点、ギリギリで安全圏内というラインでした。この手の勉強には慣れている分、正直なところ「まあいけるっしょ」と若干ナメてかかった節があり、試験が近づくにつれ勉強時間の不足を自覚していきました。

過去問に至っては周回どころか1回さらうのが限界というペース。最後にゴリ押しで詰め込んで、なんとか合格ラインに載せましたが、かなり危なかったです。試験直前期の9月~10月に勉強時間を徹底的に確保していたこともあって間に合いましたが、もう少し早く本気出せばよかった反省があります。

宅建は、高度な思考力を問うタイプではなく、知識と正確な記憶を問うタイプの試験です。

自分にとって十分な時間をとって、丁寧に覚えさえすれば、しっかり安全圏に載せて受かることができます。

独学で挑む方は、自分との戦いに打ち克って、合格をもぎ取ってください。

オオハシ

がんばれ〜〜〜〜〜

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