当記事で7本目となる「気胸治療記」シリーズは、呼吸苦で救急搬送されて気胸が発覚し、手術を受けた筆者による治療日記です。入院中からInstagramの投稿で記録していたものをベースに、後日加筆・修正しました。
入院10日目・術後7日目:ついに退院!
ついに退院日。手術からちょうど1週間。痛みに耐えつつ、その日その日のやることやってたらあっという間だったな。
気胸だけなら、年齢的にも本当はもっと早く退院になっていたところだけれど、膝の術後でもあったことでもう一度松葉杖歩行の練習が必要だったため、ゆっくりリハビリして帰る日程に切り替えてくれた。
おかげさまで、通常のペースではまだ不安だった退院後の生活も、今ではしっかりとイメージできて、満を持して退院できる。
術後説明
朝の回診で抜糸。縦に3本のテープで傷口を寄せているみたい。退院前最後にダメ押しのレントゲン撮って、荷物まとめて、最後に先生から少しお話しがあるというので病衣から私服に着替えて行った。
「服着てると普通の人に見えるね」
「おかげさまで」
なんてやりとりもありつつ、そういえば初対面は救急だし、先生はわたしのヘロヘロの姿しか見たことがなかったのを思い出した。やっと普段の姿をお見せできた。
手術中の動画を見せてもらいながら、どこをどう取ったとか、詳しく教えてもらった。自分の心臓が動いている様子や、潰れた肺が膨らんでいく様子を見るのは不思議な感覚だった。
動画を撮ってもいいよと言われたけど、説明ちゃんと聞きながら見たかったから、記念に?風船(ブラ)の写真を1枚だけ撮った。わかりやすく今にも破けそうな薄い膜の風船があって、たしかにこれは手術で取らなければ高確率で再発しそうだというのは、素人にも容易に想像がつく。
風船の根本からバチンと切り取るように縫合されて、さらに上から補強のシートをかぶせられていた。
本当は3箇所の傷で胸腔鏡するみたいだけど、女性だし傷少ない方がいいでしょ、ということで1箇所にしてくれたらしい。ありがたや。
無駄なく最善と思われる判断をしてくれて、終始丁寧に説明もしてくれる主治医には本当に感謝している。
気胸での入院・手術を終えての所感
コロナ禍の救急からの入院で、こちらはドタバタしていたけれど、この病院への入院後は、計画入院かのような至れり尽くせりの治療をしていただいた。
呼吸器症状と発熱があっても、救急で受け入れてもらえたこと。安心して信頼できる主治医のもと、十分に納得の上で早期に手術を受けられたこと。リハビリ中だった膝の状態を考慮して、通常より長めに入院させてもらえたこと。女性特有の珍しいタイプの気胸まで疑って、手術前に婦人科受診、手術後には偶然見つかった肝臓の異常の精密検査で消化器内科受診と、完璧な連携で院内の他科を紹介してもらえたこと。
救急隊員の方々含め、今回関わってくださった医療関係者のみなさんのおかげで生かされたなあとしみじみ思います。ありがとうございました。
生きなきゃね。
後日談:仕事復帰まで(2021年12月19日追記)
実はこの気胸の件の後にも色々あって、以降数ヶ月にわたって体調がぐちゃぐちゃで安定せず、まともに仕事にならなかった。ただしこれは個人的な事情によるもの。自然気胸での胸腔鏡手術は比較的低侵襲なので、本来であれば退院後は日を追うごとに良くなって順調に本調子まで回復すると思う。
仕事内容次第では、術後2週間くらいで一応仕事復帰はできそう。ただし実際は低下した体力がなかなか戻らなくてすぐ疲れるし、まだ息が吸いきれない感覚が残っていたりして、本調子には程遠い。状況が許すならもっとゆっくり療養期間を取って、少しずつ復帰するのがいい。
術後1ヵ月くらいで痛み止めがいらない程度にキズの痛みはほぼ気にならなくなって、たしか術後2ヵ月くらいで息を吸う感覚がほぼ元に戻ったと思う。
術後約5ヵ月の今、呼吸に違和感や左右差はほぼ感じない。天気(気圧)か何かの関係で、切ったところが少し痛むことがあるかも?という程度。キズもだいぶ色が薄くなってきた。いま膝が悪くて激しい運動ができないので、スポーツしたときの感覚は術前と比べてどうなっているかわからない。ただ少なくとも、胸腔鏡手術の影響で今も日常生活で困っていることは特にない。