当記事で3本目となる「気胸治療記」シリーズは、呼吸苦で救急搬送されて気胸が発覚し、手術を受けた筆者による治療日記です。入院中からInstagramの投稿で記録していたものをベースに、後日加筆・修正しました。
入院4日目:手術日
9:00の手術室入室に向けて、朝から荷造りなど準備。術後はハイケア病棟へ行くので手荷物管理が厳しい。スマホ没収。
膝が不自由なため、手術室へはベッド入室ということになっていた。ドレーンを連れて、ベッドごと連行される。
時間になって、手術室へ連れて行かれた。直接手術室へ行くのではなく、まずは前室のような場所で受付をした。大きな総合病院だけあって、奥にたくさんの手術室があるみたい。
受付する時点で大勢のスタッフさんたちでなにやら賑わっていて、その活気はさながら朝市場のようだった。手首のタグをチェックされ、諸々の確認をした。これから捌かれる魚の気分。総合病院の手術室というのはこういうものなのだろうか。
以前整形外科で手術を受けたときの閑散とした雰囲気と全然違ったけれど、案外、これくらい賑わいの中で流れ作業的にやってくれることで、自分の手術が特別なものではない感じがして、緊張感が薄れて良かった。
受付を済ませて、手術室ゾーンの一室に入った。広い空間に、パッと数えただけで8人の医師やスタッフがいる。
今回は背中から刺す硬膜外麻酔があった。この準備で1時間くらいかかるので、以前の膝の手術より、入室から手術開始までが長かった。
ただ、硬膜外麻酔、これがとにかく気持ち悪い。痛み止めの注射(これも痛い)を打ったあと、グリグリ、グササッという感覚。最悪。
一通りの処置を終えて、そろそろ寝る時間。左に取ったルートが細すぎて、麻酔が効いてくるまでに時間がかかる。じんじんと腕が痛い。「寝てから右に取り直そう」って言ってるの聞こえてるよ先生。腕痛いよ… と思っているうちに意識が途切れた。
無事終了後…
帰ってきたのは昼頃だったろうか?一度・二度起きたけれど、眠気で意識がでろんでろんに溶けていた。そこからまたしばらく寝た。
15時頃からは、しっかりと目が覚めてきて、水を飲んだりし始めた。胸腔内のドレーンは術前のものから入れ直されているようで、血とか水とか排出している。
尿のカテーテルは入れられていないので、最初からトイレ自立。起き上がるイメージが湧かないくらい、ちょっと体勢変えるだけで声が出るほど痛くてつらくて、トイレ行けるような状況じゃないけど、行くしかない。決死の覚悟でトイレに行った。しんどすぎ。
熱も最高で38度まで上がり、胸は痛いし苦しいしで、頭を冷やし、冷たい水を飲み、ずっとウンウン唸っていた。どの体勢でもつらいけど、少し起こしている方がマシ。
もうこの痛みは体験したくない。脚もキツかったけど、呼吸器疾患の痛みと苦しさはひどいものだった。
先生たちが最善を尽くして疼痛コントロールをしてくれても、さすがに術後の痛みを取り切ることはできない。
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